インダストリー・ソリューションズ - エンジニアリング情報統合技術


エンジニアリング情報統合技術


概要

自動車や電子機器などの複雑な製品の開発は、仕様策定、ソフトウエア開発、機械設計、電子回路設計、試作、試験など多岐に渡る分野の技術を組み合わせることで実現されます。ところが各分野の専門家はその分野に特化した個別のツールを使ってデータを管理しているため、各部分がどのように関連していてシステム全体としてどう構成されているかが分かりません。このために、設計変更があったときに与える影響の範囲を特定することができませんし、データを別のツールに複製して変更することを繰り返すと設計判断のもとになったマスターデータがどこにあるか分からなくなります。

このような問題を解決するために、各ツールで分散管理されているエンジニアリング情報を統合することで、さまざまな開発成果物間のトレーサビリティ分析や影響分析を可能にするためのコラボレーション基盤技術を開発しています。具体的には、1. データ間の関連をツール横断的に獲得、表現、操作するための技術や、2. 各ツールに分散管理されているデータを仮想的に一つのデータベースのように参照や変更ができるようにする技術の研究を進めています。



1. データ間の関連をツール横断的に獲得、表現、操作するための技術


我々が開発している技術を使うと、大量で多様なデータを入力として、それらのデータ間の関連のモデルを獲得して表現することが可能になります。すでにあるデータから隠されている関連を自動的に特定することで、正しい関連のモデルを構成することを容易にするアルゴリズムを開発しました。

また、アーキテクチャの可変性をグラフ書き換え規則として記述しておくことで、適切なアーキテクチャを効率的に求めるアルゴリズムも開発しています。この手法はシステムアーキテクチャがコンポーネントの階層からなることと、コンポーネント間の制約からなることを利用しています。プログラム言語設計、コンパイラ、モデル変換などの技術を活用することでこのような機構の研究を進めています。



2. 各ツールに分散管理されているデータを仮想的な一つのデータベースとして提供する技術


我々の技術を使うと、マスターデータは個々のツールに置いたまま、分野にまたがる知識を管理してエンジニアリング情報に対して包括的なビューを提供する情報基盤を作ることが可能になります。この情報基盤はOpen Services for Lifecycle Collaboration (OSLC) と呼ばれる、開発ツールのデータ共有をLinked Data によって行うための標準に則って構成されています。このために、我々は多様なアプリケーションのAPIをRESTful Webサービスに、アプリケーション固有のデータをResource Description Framework (RDF) に変換する技術を開発しています。