ヘルスケア - overview
AIがヘルスケアのあり方を大きく変えようとしています。IBMの世界中の基礎研究所では、バイオインフォマティクス、ゲノム科学、生物学、センサー技術などの分野で様々な研究開発を行っています。
IBM Research - Healthcare and life sciences
東京基礎研究所では長年にわたって培って来た自然言語処理やIoTの技術を基礎として、人が健康で自分らしく生きることを支える新たな技術をパートナーとともに研究しています。
医療テキスト分析
医療テキスト分析では、電子カルテ、論文、研修資料等のフリーテキストで書かれたデータから症状、治療、日付情報、薬の作用機序等の構造化された情報を抽出することで、様々な新しいアプリケーションを実現するための技術を研究しています。フリーテキストを対象にする以上、100%完全な情報抽出はできませんが、
- 精神疾患のような患者の属性が無数にある分野での類似症例検索
- 論文検索における非自明な薬の使われ方での論文の並べ替え
- 研修資料に記載されている薬の作用機序での関連情報の検索やコンテンツの集計
のように用途を選ぶことで、今までデータとして扱えなかったテキスト情報を幅広く役立てることが可能です。
ヘルスケアのための日常行動分析
会話や視線、歩行といった日常的な行動の特徴をもとに、認知症をはじめとする疾病の早期発見や高齢者のQOL向上に繋げることを目指すAI+IoT応用研究を進めています。詳しくは以下の記事をご覧ください。
ヘルスケアビックデータ分析
ヘルスケアビッグデータ分析は、医療機関に大規模に蓄積されたEMRを解析し、医療や健康維持に役立つ情報を獲得することを目指しています。主要な分析目的として、様々な疾病の状態をターゲットにその発症を予測するモデルを機械学習で構築することが挙げられます。医療の専門家と議論を重ねながらアウトカムとする病理的現象を的確に定義し、そのアウトカムの説明因子の抽出を行います。説明因子の抽出はドメイン知識を用いたエンジニアリングの他、テキスト分析技術、教師無し機械学習による特徴抽出などの先進的な技術を適用します。ヘルスケアビッグデータ分析プロジェクトの主要テーマとして、
- 糖尿病合併症の発症予測モデル構築
- 腎機能低下発生の病態クラスタリングと予測モデル構築
- てんかんを判別するための時系列特徴量抽出と判別モデル構築
などの研究を実施してきました。
ヘルスケア・センサー・プロジェクト
来るべき高齢化社会に備えた”未病”のモニタリングを目的に、半導体パッケージング技術およびAI技術に基づき研究を進めています。具体的には次のプロジェクトです。
- 熱中症の早期発見・予防を目指したイヤホン型ウェアラブル・デバイス(ヒアラブル)